2017年12月ごろ、ビットコインのハードフォークが流行していました。
11月にビットコインが100万円を超え、さらに世間への認知が広がりつつあります。
そこで分裂問題についておさらいしておこうかなと思います。
ビットコインはなぜ分裂するのか?分裂までの流れなどご紹介していこうかなと思います。分裂の例としてビットコインキャッシュ(BCH)と分裂したころの話で進めていきます。あの頃は様々な分裂の方法が提案され、分裂問題が重なっていたため分裂問題を解説するには最適かと思います。
ハードフォークしてビットコインキャッシュの誕生までの流れ
2017年6月、当時の騒動の大元にあるのは、ビットコインのスケーラビリティ問題というものです。
スケーラビリティ問題は、ビットコインの取引量(トランザクション)の急増によって、既存のブロックサイズだと取引データの処理が追いつかず、送金が遅延するなどの不具合が生じるという問題です。
「なんとかしなければ! 」ということで出てきたのが、Segwitを提案するBIP141というものです。
BIPとは、Bitcoin Improvement Proposalsの頭文字を取ったもので、
Improvementは「改善」、Proposalsは「提案」です。
ビットコインの改善案は、BIP○○と番号が振られており、Segwitについて書かれた改善案が、BIP141というものになります。
「解決手段として有望視されているのが「SegWit」(セグウィット)。ブロックに記述する『署名』(Witness)を、『隔離』(Segragated)することで1ブロックの容量を実質的に拡大させる方法」この改善を行うことで、スケーラビリティ問題は改善されることになります。
BIP141(segwit)は、基本みんな賛成しているらしい
ビットコインの発展を望むならば当たり前ですが、スケーラビリティ問題はなんとかしなければならないワケで、基本的にsegwitが提案されたBIP141には、ほぼみんな賛成だったみたいです。
揉めたのは、それをどうやってアクティベート(有効化)するのか? という方法論の部分です。他にもあるのかもしれませんが、ここではよく見かける3つを紹介します。
なんか、ややこしいのですが、この方法論にも、BIPの番号が振られています。方法論も、それぞれがビットコイン改善のための提案という、くくりになるワケでしょうかね。
まず、この中で一番歴史がありそう? なのがBIP9というものです。2016年10月からマイナーによるシグナリング(本来の意義は違うけど、実質的には投票行動みたいなこと)が開始された案件で、2017年11月15日までにシグナリングが95%になるとsegwitがアクティベートするというものです。
そして、BIP9自体は、ビットコインの分岐を前提とせず、ソフトフォークさせることでsegwitのアクティベートを実行しようとする案です。
実際には、2016年10月からシグナリングがはじまったものの、「俺らはハードフォークしたいし!」 みたいな勢力が台頭したせいもあって、遅々として賛成の比率を高められず…。
このままでは、いずれ期限切れを迎え、廃案という道を辿りそう…みたいな空気になったんです。
スケーラビリティ問題もどんどん深刻化していく中で、segwitを推し進めたいと考えている人たちは、「さっさとsegwitしちゃおうよ!」ということで、先ほど「BIP141(segwit)をアクティベートする方法案」で紹介した残りの2案が登場することになります。
「BIP148」も「BIP91」は、ほぼ同じ提案内容。違いは?
「BIP148」も「BIP91」も最終的な部分でBIP9を踏襲しているのですが、その構造は二段構えとなっています。「BIP148」や「BIP91」をアクティベートすることで、強制的にBIP9で採用されているversion bits1のシグナルを発信させようとするものになっています。
どうやって強制的にシグナルを発信させるかというと、この2案に共通している点でもあるのですが、要は、BIP9で採用されているversion bits1のシグナルを発信していないブロックを無効にしてしまおうというのです。
ただし、この「version bits1のシグナルを発信していないブロックを無効にする」という決め事をアクティベートするタイミングが、BIP148とBIP91では違います。
BIP148は、フラッグデイト方式というものが採用されており、ある決められた期日がきたら強制的に上述の決め事がアクティベートされるようになっています。
これが「UASF(User Activated Soft Fork)」、つまり「ソフトフォーク」なわけです。 決められた期日というのが、くだんの8月1日(火)だったワケです。 「BIP91」の方では、version bits 4のシグナルを採用し、それが80%になったら上述の決め事、「version bits1のシグナルを発信していないブロックを無効にする」をアクティベートするというしくみになっています。
繰り返しになりますが、いずれの案も「version bits1のシグナルを発信していないブロックを無効にする」ことで、その後、BIP141(segwit)がアクティベートされることを目的とするもので、この意味では、ほぼ同じ提案ということができそうです。
もともと、BIP148(UASF)が有力視されていましたので、この案がアクティベートされる8月1日(火)に注目が集まっていたワケですが、それはなぜかと言うと、状況次第でビットコインのブロックチェーンが2つに分岐し、元々のビットコインと新しいビットコインの2つに分裂するかもしれなかったからです。
要はハードフォークが起きる可能性があったからです。 その後もいろんな勢力が台頭し最終的に、マイナーたちの支持をもっとも集めたのが、支持率が80%になったら「version bits1のシグナルを発信していないブロックを無効にする」という決め事をアクティベートするBIP91でした。
ビットコイン相場は、もしかしたらビットコインが分裂するかもしれない案であるBIP148ではなく、BIP91によって、その後、segwitがアクティベートされるのであれば、まぁ大きな混乱はないだろうということで、リスク懸念が後退し、大きく上昇したものと思われます。
そんなこんなで現在に至るわけです。
結局ビットコインキャッシュの容量2倍計画はなくなりましたね。
ところが別の勢力によるハードフォークが多く控えています。
まあ現在はハードフォークで資産が増えるのでラッキーという流れになっていますが笑
今後のハードフォークに備えるためにもBinance(バイナンス)の口座は作っておきましょう。
これまでのビットコインハードフォーク種類はこちら
ビットコインがハードフォークした通貨としては最近だとビットコインキャッシュ(BCH)、ビットコインゴールド(BTG)が有名かと思います。
ほかにはビットコインダイヤモンドやビットコインXT、ビットコインクラシックなどがありますが実はほぼ認知されていないトークンがまだあります。
- スーパービットコイン
- ライトニングビットコイン
- ビットコインキャッシュプラス
- ビットコインシルバー
- ビットコインウラニウム
- ビットコインゴッド
これから実行される予定のビットコインハードフォーク
ビットコインX2(Bitcoin X2)
ビットコインX2は、2018年に予定されている多くのハードフォークの中で最も注目されているビットコインフォークの通貨のひとつです。オリジナルのビットコインブロックチェーンに基づいていて、オリジナルと比較するとトランザクションの速度は200倍にもなります。
ビットコインエアー(Bitcoin Air)
ビットコインエアーは、軽量で透明性が高く、2018年に予定されているほかのビットコインからのハードフォーク通貨と比較するとトランザクション確認時間が最も早いです。
ビットコインプライム(Bitcoin Prime)
ビットコイン(Bitcoin)とプライムコイン(PrimeCoin)のミックス通貨です。
ビットコインゼロ(X)(Bitcoin 0(X))
HeXX(HXX)保有者は、1:10の割合でビットコインゼロX(BZX)で受け取り可能です。ZeroCoinの匿名プロトコルとマスターノードの機能を組み合わせています。PoWとMasternode(BZnode)コインを組み合わせ、マイニングプロセスはGPUマイニングリグに依存しています。
ビットコインヘックス(Bitcoin Hex)
ビットコインヘックスは、BTCとETHの特徴を併せ持っていてERC20プロトコルでできた通貨です。オートミックスワップやDEX取引所にも簡単に統合することができます。
ビットコインドル(Bitcoin Dollar)
ビットコインドルはブロックチェーンプラットフォームでAIと組み合わせることでほかのハードフォーク通貨と比較して、最も待ち望まれているといわれるプロジェクトです。ブロックチェーン技術を駆使し、IoTやクラウドサービスを促進しています。